移住候補地に通って移住への不安を軽減【私の移住体験】|飯能に住もう!移住、起業の情報サイト|飯能Lチャンネル

移住候補地に通って移住への不安を軽減【私の移住体験】

都市部から地方に移住したいけど、移住先での生活や人間関係に馴染めるか不安と感じていませんか?

2020年に三重県が実施した調査によると、「移住先での人間関係が不安」と回答した方は、移住希望者の約20%、全体で2番目に多いという結果でした。

まったく知らない土地に移り住むのですから、人間関係に不安を感じるのはみなさん同じようですね。

そこでおすすめするのが、移住候補地に通って、移住前から人間関係を構築しておくことです。どんな人がいるのか前もって知っておくことで移住への不安を軽減できますし、移住後の新生活をスムーズに始められます。

この記事を書いている私、フジモトは、2020年3月に岡山県の真庭市に移住しました。私は移住する前の3年間、真庭市への移住を視野に入れて、真庭市に通って人間関係を築いてきました。その結果、仕事も住居も見つかり、現在では平和で楽しい真庭暮らしを満喫しています。

そんな私の移住体験について記そうと思います。移住を考えられている方の参考になれば幸いです。

自己紹介


最初に私自身について、軽く自己紹介しておきます。

岡山県岡山市で生まれ、高校・大学と岡山市内の学校に通い、岡山市内で就職しました。岡山市内の会社で1年間働いた後、25歳のときに夢であった岡山県真庭市へ移住することに。移住前には、3年ほど真庭市に通い、町の雰囲気や人、規模感を把握していきました。

現在は、真庭市への移住をサポートする”移住コンシェルジュ”の仕事に加え、移住や農業に関するWebライターをしています。

また、岡山市の実家が稲作の兼業農家であるため、農繁期は真庭市と岡山市を行ったり来たりの生活をしています。

真庭市は岡山県内で1番広い自治体で、琵琶湖や東京23区より広いです。地域によってさまざまな暮らし方ができ、都市部に近い生活を送れる地域もあれば、自然に囲まれた生活ができる地域もあります。

岡山県真庭市を知ったきっかけ


(出身地は田園地帯。農繁期は真庭市と岡山市を行ったり来たりです。)

真庭市を知ったきっかけは、学生時代に関わっていた“地域おこし活動”です。

私は大学の4年間、岡山県内のある地域で、移住希望者を呼び込む活動をしていました。その活動の中で他地域の事例を学んでいる時に、先進地として真庭市を知りました。

ちょうどその頃、ベストセラーにもなった「里山資本主義」が話題になっていました。さっそく読んでみると、真庭市は木質バイオマス発電など、先進的でおもしろい取り組みをしている地域だとわかりました。

そして、木を資源として活用できるほど、自然が豊かだと感じました。
実は、私の出身地は、周囲が農地ばかりで自然のない環境でした。そのため、自然に囲まれた暮らしに憧れを抱いていたのです。

最初は、真庭市の取り組みを勉強しに行ってみたいと思っていました。しかし、自然への憧れから、いつかは真庭市に住みたいと思うようになりました。

移住までの人間関係を築く道のり

ここからは、私が真庭市に通っていた体験について記します。

真庭市に興味を持ってから、「まずは真庭市を知ろう」と思い、真庭市に通うことを始めました。真庭市にどんな人がいるのか知ることが目的でしたが、仕事や住む場所を探すことも意識していました。

真庭市で開催されている人材育成塾に2年間通う


(真庭なりわい塾の様子。毎回受講生同士で活発に意見交換しました。)

「真庭市に通う」と決めても、当然最初は知り合いが1人もいない状態です。
何かきっかけが欲しいと感じていたときに、「真庭なりわい塾」が開催されることを知りました。

真庭なりわい塾とは、真庭市中和地域をフィールドに、農山村での生き方にふれながら自分の生き方・働き方について考える人材育成塾です。塾は月に1度開催され、真庭市内外から多くの方が集まります。

真庭市に通う動機になるし、いろいろな人と知り合えるチャンスと感じた私は、さっそく受講することにしました。また、当時学生で就職に迷いを感じていたので、自分の生き方・やりたい仕事を明確にするためにも、通って損はないと思いました。

塾は2年間のプログラムに沿って開講され、毎回講師や地域の方のお話を聞き、受講生同士で話し合うといった内容でした。1泊2日で開催されたので、受講生同士や地域の方との関係性も深まりました。

また、塾の前後で真庭市内のお店にお昼ごはんを食べに行くことで、さらに真庭市について知ることができました。

真庭なりわい塾を通して中和地域で暮らす人々や、真庭市内で活躍する人々と出会えたことは、私の真庭移住を大きく後押ししました。さらに、塾の中で学んだ「仕事は1つでなく、2つ、3つと複業でもいい。そんな生き方が田舎ではできる」ということも、移住に現実味を持たせてくれました。

地域で活動する団体に入ってまちを見渡す


(学生団体での様子。拠点近くのお餅つきに誘われました。)

真庭なりわい塾に通う中で、もう1つ大きな出来事がありました。 それは、真庭市内で活動する学生団体に誘われたことです。

塾生の1人(当時学生)と共に団体を設立し、仲間を集めて活動を始めました。この団体で活動したのは2年でしたが、マルシェイベントへの出店やインターンシップの開催など、貴重な経験ができました。

私にとって、この学生団体で活動したことで、真庭市での人脈が一気に広がりました。活動拠点となる場所が真庭市内にあったのですが、毎回その拠点から真庭市各地の人に会いにいっていました。そして、仕事であったり地域のための活動であったり、さまざまなお話を聞かせていただきました。

真庭なりわい塾は中和地域が中心でしたが、学生団体の活動を通して真庭市全域に知っている人がいるという状態になりました。
そして、イベントに誘われたり、一緒にお酒を飲んだりと、確実に関係性が深まっていることを感じました。ここまでくると、「どんな人がいるのか」という不安はほとんどなくなりました。

休日も人に会いに真庭市へ出かける


(真庭市のお気に入りのカフェ。店主とお話を目的によく行きました。)

真庭なりわい塾と学生団体での活動が終わると、いったん岡山市内の企業に就職しました。
そのまま真庭市に移住も考えたのですが、社会経験を積んでから移住しようと考えたことが理由です。

ただ、真庭市との関係をつないでおきたかったので、仕事が休みの日は真庭市に通うようにしていました。
2年間通ったおかげで知り合いも増えていたので、真庭市に行くことへのハードルはグッと下がっていました。

このときの真庭市に行く内容は、
・イベントがあれば参加する
・お気に入りのカフェや食堂にご飯を食べに行く
・温泉に行く といったものでした。

でも、必ず意識していたのが「人に会うこと」でした。

人に会ってお話することで、真庭市の様子を知ることができたからです。
また、仕事や住居の情報収集もしていました。

仕事と住居が見つかり移住へ


(現在は移住のサポート・真庭市の情報発信をメインの仕事にしています。)

真庭市に通い続けて真庭市に暮らす人々と知り合うことで「仕事と住居が見つかればいつでも移住できる」という状態になりました。

そうなると、次は仕事と住居探しをしました。 下地が整っていたため、かなりスムーズに進みました。

まず、住居は学生団体で活動していた拠点に住むことになりました。そこで半年ほど生活した後、現在では別の家に引っ越しています。この家も、地域の方の紹介で住むこととなりました。

仕事に関しては、なりわい塾で知り合った方が経営する会社で働くこととなりました。
Smoutというサイトに求人が出ていたのを見て、応募してみたのです。
すると面接のときに、「フジモトくんはずっと真庭に来ているから、どんな人間かはわかる。ぜひ来てほしい」と言われ、採用されました。

真庭市に通うことで、私は真庭市の人々を知ることができました。

その一方で、真庭市の人々も、私という人間を知ることができていたのでしょう。
それが、住居と仕事がスムーズに見つかった要因だと思います。そして、受け入れられたことはとても嬉しく思っています。

移住前に人間関係が築けておくと移住への不安が減る


(現在暮らしている久世の町。自然が近く、住みやすい町です。)

私は現在、真庭市でストレスなく楽しく生活しています。これも、真庭市に3年間通った経験が活きていると思います。

私が経験したように、移住したい土地に通って人間関係を築くことで、スムーズな移住につながります。人や地域を知ることで「自分にとってこの地域は合うのか」という不安の軽減につながります。

そして、人間関係を無事に築くことができれば、仕事や住居の発見にもつながります。 もちろん、通う中で、姿勢や態度が重要なのは言うまでもありません。「移住したい」と誠意をもって地域の人々に接していれば、移住に対する不安は自然と軽くなっていきます。

もし、あなたが今移住に対して不安なら、まずは気になっている地域で知り合いを増やしてみましょう。
今では各自治体に「移住の窓口」が設置されています。例えば、真庭市であれば、真庭市交流定住センターという民間の会社が運営する施設があります。

窓口をきっかけに地域を知ることで、移住への不安が1つずつ和らいでいくでしょう。


お気に入りのカフェでの一コマ。ここの店主には移住に関してとてもお世話になりました。

真庭なりわい塾での様子。実際に山に入り、林業や森林など、地域の産業や自然について学びました。


前に住んでいた真庭市落合地域の様子。家の近くの高台から、桜と駅、町を眺められました。私の好きな場所の1つです。

 

【参考】(閲覧日2021年2月25日)
・「地方移住に興味あり!物価の高さや狭い人間関係、経験者が感じた移住前後のギャップは?」(Yahoo!ニュース):https://news.yahoo.co.jp/articles/7d8e348ca3e4ecf681813aed989663492da4c236
・真庭なりわい塾 ホームページ:https://maniwa-nariwai.org/
・里山資本主義(株式会社KADOKAWA):https://www.kadokawa.co.jp/product/321208000067/
・移住スカウトサービスSmout ホームページ:https://smout.jp/
・真庭市交流定住センター ホームページ:https://i-maniwa.com/area/koryu/